WHAT IS SHIGARAKI WARE 信楽焼とは
信楽のまち
信楽は日本六古窯に数えられる、日本でも最も古い陶器産地の一つです。
その 起源は、1200 年前とも言われています。
まちなかには、登り窯や穴窯などの産業遺産が点在し、その場所で今も多くの窯元が陶器の生産を続けています。
遥か昔の天平14年(742年)には、聖武天皇が築いた「紫香楽宮」という都があった土地でもあります。
わずか数年で遷都されたため「幻の宮」と呼ばれて、現在でも解明のため発掘調査が続けられています。
また、陶器以外にも日本五大名茶「朝宮茶」の産地として知られ、古くから文化風土豊かな土地として親しまれてきました。
信楽焼の特徴
信楽焼は、400万年前の古琵琶湖層から採れる良質な粘土を穴窯や登り窯で焼成することによって生まれる、温もりや赤みがかった緋色、深緑の自然釉、あるいは焼けた黒い焦げといった表情が特徴的です。
土味を生かした素朴な風合いは、年月を超えて多くの人に愛されてきました。
古くは千利休をはじめとする茶人に火と土を用いる芸術品として見出され、信楽焼は日本美的な侘び寂びを現代にまで伝えてきました。
また、信楽の土は、非常にこしが強く可塑性も高いので、大物と小物づくりの両方に適しています。
こうした素材の特性を活かして、近代以降の信楽焼は、火鉢や植木鉢、花器、食器、建築タイルやガーデンファニチャーのような庭園陶器から浴槽まで、実用的な陶器を生産してきました。
信楽の陶器は、時代の要請に応えながら、日常の生活に根ざしたものづくりで文化を支えてきたと言えます。
こうした多岐にわたる製品を生み出せる技術力があるのも、信楽焼の大きな特徴の一つです。